夢100ゆめくろメインストーリーのネタバレ満載備忘録
夢世界を語る

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第1部11章 夢の残滓

突然の地鳴りと共に物凄く巨大な夢の力が世界中からトロイメアに集まっていくのを感じた一行は、恐らくそこでホープが何か最後の力を使おうとしているのではないかということで、急いでムーンロードを渡り切ろうと走ります。

しかし、渡り切った先、トロイメアであるはずのその場所は、外壁がボロボロになった大きな時計塔を中心に、物しい雰囲気が漂う廃墟のような別の街でした。

それはもうずっと昔に滅びたはずの、カイリが王子として生まれ育った国、カラビナ。
デジールからのムーンロードは必ずトロイメアに繋がっているはずであること、先程のホープの夢の中と似たような夢の力を感じることなどから、ここは「誰かの夢の残滓の中」なのではないかと考えるナビ。
一行は手分けをして人気のない街の中を調べてみることに。

姫と騎士

ユメクイが生まれたわけを知ってしまった姫は、これからトロイメアで一体何が起こってしまうのか不安でたまらなかった。
カラビナの街外れにある枯れ果てた花畑で姫と2人きりになったアヴィは、そんな姫の様子に気付き、「本当はどうしたいか」優しく問い掛ける。

ユメクイに脅かされることのない夢と笑顔が溢れる世界のために旅を続けて来た姫は、もちろんナビや王子たちと共にそれを果たしたい。
これまでユメクイによって苦しんで来た多くの民やエミールやカーサのことを思い返し、強く、強く、そう決心しようとする。
けれど、ユメクイの脅威を真にこの世界から消し去ったとき、「大切な2人の兄はどうなってしまうのか」それが恐ろしくて、自分が一体何をしたいのか分からなくなってしまいます。

そんな姫を抱き締め、その大きな手で姫の背中をゆっくりと撫でながら、「お前の大事なもの全部まとめて守ってやる」とアヴィ。
そう。アヴィはいつもそうなんです。姫のしたいことを姫もろとも守る。それが騎士なんです。
この長い旅で、アヴィはもう姫が何を望んでいるのかどんな選択をするのか聞かなくても分かるようになってます。かなり省略してきちゃったけどここまでに何度もそんな場面がありました。

なんてかっこいいんだろう。
こんなに手慣れてるのに時にどぎまぎして「かわいい」って言いたいのに言えないくらいウブなの反則だろ…

てかもうくっついて欲しいこの2人。
姫アルストリアに嫁ぎなよ(やめて

落ち着きを取り戻した姫は、「ホープを救うこと」「ナビを消さないこと」「ユメクイの居ない夢世界を実現すること」そのすべてを、ひとつも諦めることなく最後まで進むことを決意。

良かった良かった。そう来なくちゃ。ホープもナビも居なくなっちゃったらわたしもう夢100できないよw

しかもねわたしもう知ってるんだ。
フレンドさんがサポートにホープ出してくれてるの。(ぉぃ
大丈夫全部うまくいくよ。全部取り戻そう。わたしたちにはアヴィがついてる←

ヒナタの成長

カラビナの形をした夢の残滓の中で、一行はそれぞれに絶望のような夢に飲まれそうになります。
ヒナタ、白葉、紫雨、そしてカイリが、それぞれに抱えた苦悩や後悔を揺さぶるように繰り広げられる悲しい夢に負けてしまいそうになりながらも、旅で得た仲間たちの言葉や絆によってこれに打ち勝っていきます。とても感動的。

特にヒナタはあんなにわがままで国のみんなをおもちゃに変えちゃうくらいぶっ飛んでたのに、今は国のみんなのために王子として戦い、夢世界の惨状を目の当たりにしてもこれを受け止め、「みんなをこんな目に遭わせてしまって不甲斐ない」と自分を責めるナビに対し、「世界のために戦ったという自信を持って欲しい」と声を掛けてあげられるようになりました。泣ける。

マリスの正体

それぞれが最後の戦いに向けて決意を固めた時、一行の前に姿を現したマリスは、黒くひび割れた肌に瘴気を纏った身体と、見るからに変わり果てた姿をしていた。
「これはあのお方から与えていただいたユメクイの力」「ここは自分の夢の残滓」「お前たちをここに閉じ込める」と宣言するマリス。

実は、マリスは元カラビナの民であり、カラビナ王家に召し仕えていた使用人だったらしい。
クーデターにより故郷を失い、絶望し、ひとり彷徨っていたところを、トロイメア城下町に潜んでいたデジール元反乱軍に捕縛され、無理やり軍に入隊させられてからは、奴隷のようなひどい扱いを受けて生きていた。

そして、そんなマリスに手を差し伸べたのが夢王の弟ホープだった。
その頃のホープはトロイメアの公務にボロボロになっていく兄を見ていたくなくて、たびたび城下町に足を運んでは、虐げる者や欲深い者の夢を奪って眠らせていたと言う。
ホープと同じく世界のすべてに絶望していたマリスは、彼に付き従いその人生を彼に捧げることを誓った。

ホープの絶望は自分の絶望であり、ホープが終わらせたい世界を自分が終わらせると言うマリス。
しかし、彼は植え付けられたユメクイの力に耐えられないのか、その身体は今にも崩れ落ちてしまいそうな状態。

もう誰のことも死なせたくない、マリスのことも助けたいと言う姫は、「ホープのことは必ず自分たちが救って見せる」「だからあなたもこの世界に光を見付けて欲しい」と訴える。

故郷を思い出せないことを嘆くマリス。しかしそれは、確かに幸せに暮らしていたはずの過去や取り戻したい生活が彼にはあって、もう一度夢を見ることが出来るかも知れないという光でもあった。
マリスの中に一瞬だけ芽生えたその希望を見逃さなかった姫は、トロイメアの指輪に祈りを込め、無事にマリスとユメクイを引きはがすことに成功。
すると彼の夢の残滓であったカラビナの景色は幻影のように消えていき、一行はちょうど自分たちがムーンロードを渡り終えるところだったことに気付く。

届かない

ユメクイを引きはがされた状態でホープの元に戻ったマリス。
自分の身に起こった出来事を振り返り、「トロイメアの姫であればホープを救うことができるかも知れない」と考えるが、ホープは「救いなどいらない」「結局お前も夢を見るのか」「俺を否定するのか」と嘆き、膨れ上がった黒い闇でマリスを飲み込んでしまった。

なるほどね…

ぶっちゃけね、マリスはわたしあんまり思い入れなくてこんなにあっさり殺されちゃってもそこまで悲しい気持ちにはもごもご(最低

ただ、一瞬ちょっとホッとしたんだよね。
2度目の反乱の後、ホープはユメクイを生み出せるようになって、それこそ黒い男になってしまったのだけど、城下町で襲っていたのは横暴な人たちであって、これによってマリスのような人が救われていて、しかもホープは兄亡き後ずっとひとりだったわけじゃなく、そんな風に慕って従ってくれる人が傍に居たんだとしたら、彼にはまだこの世界に光を見付けられるかも知れない黒に染まってない部分がほんの1mm残ってて、これが救いに繋がるんじゃないかと。

でも、こうなってしまった以上きっと思うよりもっともっと深い闇なんだろうな。
と言うより、もう何もかも忘れて兄と姫と幸せで安らかな場所に行きたいっていう、そっちへの想いが強過ぎるんだと思う。
どんな言葉ならホープに届くんだろう。