夢100ゆめくろメインストーリーのネタバレ満載備忘録
夢世界を語る

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7章 グレイシティ

秘密箱の中には薄赤色の小さなガラス片のような石が無造作に置かれていて、これが突然淡く発光したかと思うと、そこから「エデンの残した音声メッセージ」のようなものが再生され始めた。
どうやらこの不思議な石は内側に「魔術式」が刻まれていて「録音した声を1度だけ再生できる」という「魔道具」らしい。

音声はエデンが娘であるエマに対し残したもので、エマの母親であり妖精女王でもある「タニア」が力を使い過ぎて弱ってしまっていること、エマが浄化の力を思念樹にめいっぱい込めれば逃げた黒妖精が元に戻りタニアを救うことができるということ、自分たちは今「世界の端にある」という思念樹でエマを待っていることなどが語られていたほか、タニアとエデンの痴話喧嘩のような微笑ましいやり取りや、恐らく幼いエマであろう赤ん坊の泣き声、そして苦しそうに咳き込むタニアの声なども残されていた。

エデンから託されていたのは「エマとこの箱を共に開くところまで」であり、これから先のことは「エマの考えを尊重したい」と言うナナシ。
黒妖精がいなくなることで人間が絶望に脅かされることがなくなること、胡蝶がしようとしていることもきっとできなくなるであろうことは喜ばしい一方で、「それだけの浄化の力を使えばエマの姿も2度と見えなくなってしまうかも知れない」と念押しする。

全てを知ったエマは、苦しそうな母を助けたいという想いと、それが世界の救いになるかも知れないということ、しかしナヴィたち黒妖精は再び樹に繋がれ眠りに就き2度と会えなくなってしまうことなどさまざまな考えが去来して直ぐに答えを出すことができなかった。

やっぱり妖精女王は黒妖精の数が多過ぎて「浄化の力を使い過ぎて」身体が弱ってしまってるってことだったんですね。
メッセージはエマが赤ちゃんだった頃の泣き声が録音されていたとこに「上書き」されてたらしいけど、直近でもエデンが失踪した5年前に録られたものであるはずだから、そこからさらに5年経ってる今タニアさんは弱りに弱って瀕死くらいの状態なんじゃないかな←
するとだいぶ多くの黒妖精が「繋がれていない」ことになっちゃてるはずだから、胡蝶とは無関係に起こってる暴動事件もままありそう。きっとディレッタントのフェルドとかもそれだよね。

そして、浄化の力は本来「思念樹に込めるもの」だったのね。
エマは実の父親から「黒妖精を眠らせてタニアと夢世界を救うために君も妖精になって消えてくれ」って言われてるのか。

インテルの失踪

するとここでカミュとレンから「連盟の代表印が使用された要請書を持参する男」により「ブラッディレディの保管していた黒い粉が大量に持ち去られた」という情報が。
連盟の代表印は誰もが簡単に使うことができる代物ではないため、粉を持ち去ったのは「連盟副会長のインテルではないか」と推測するナナシ。

インテルはファタミュジカの一件で連盟から「謹慎処分」が下されているにも関わらず数日前から行方を晦ませており、恐らく現在ハウンドスイーパーのマイスターである「シハル」と共に行動しているのではないかと考えたナナシは、事の真相を確かめるべく、隠れ家のある「グレイシティ」に向かうと言う。

ウッドマンやミューゼでのことで「連盟の一員として正しく動きたいと実感した」と言うエマも、タニアやエデンのことを考えるより先に、今は「副会長が何をしようとしているのかを知るべきだ」と思い至り、ナナシと共にグレイシティへ向かうことに。

グレイシティ

グレイシティは元「光輝の国シンセア」の富裕層が別荘地として所有していた土地で、富豪たちが開発のために労働力を集めたところ各国から野良職人たちが流れ込み、現在は国の行政を関与させない完全自治区になっていて、富豪たちの住む都市部は「インセクター」、それ以外の区画は「アウトセクター」と呼ばれ、治安が悪く無秩序な状態になっていると言う。

アウトセクターに到着したナナシとエマ、カミュとレン、そしてなぜか闇夜の2人は、着いて早「スリに遭う」という貧民窟の手荒い歓迎を受けていましたねw

ただ、本当の貧民窟をよく知るカミュは「その割に街はスラム化していない」と感じた様子。
きっとアウトセクターに流れ込んだ職人たちの技術レベルが高いためで、覇権を握る富豪たちが無能でなければこうも無秩序にはならないはず、優秀なリーダーが統治すれば相当な経済発展が見込める地域だろうと。

実際、夢100のシンセアは世界中からもっとも憧れられる「都会的で洗練された豊かな国」なんだよね。ちょっと妬みや敵対心を抱く国が周りにひしめいていて外交は殺伐としているものの。
本当にどこかのタイミングで優秀な統率者が現れたのかも知れませんね。

ウッドマンの職人たち

グレイシティのアウトセクターではウッドマンでレインボーロマンをめちゃくちゃにしてしまったあの生活苦の機械職人たちも働いていました。

普段は無茶な土木や建設工事、清掃やゴミ処理なんかをやって食い扶持を稼いでいるらしいけど、近日インセクターで「ロイ」という富豪が「知事」に就任するということで、今はその祝いの式典に関する仕事がいろいろと舞い込んでいるらしい。

「今度は人の役に立つ機械を作る」って言ってた機械職人のリーダーは、式典で打ち上げられる花火作りに必要な「星掛け機」ってマシンの製作を任されて、「久しぶりにいい仕事ができた」って誇らしげにしてました。腐らずがんばってるんですね。涙

黒夢病

黒い粉に冒された患者たちに見られる錯乱や衰弱、肌の変色などの症状を「黒夢病」と総称し、ソルシアナでその治療法を探っていたマギアゼミナールのマイスターたちは、150年程前に世界各地で確認されていたよく似た症状を伴う謎の病の発症事例について調べるうち、ようやく「完治のための治療法」に辿り着いていた。

その治療法とは、簡単に言えば「魔力」と「夢の力」を掛け合わせ「心と体を同時に健全なものにする」というもの。

魔術医師であるカイは魔力を応用した「身体的な症状を治療すること」には長けているものの、夢の力を応用した「精神的な治療」に関する知識が足りないため、黒夢病の患者たちは長い間「完治」には至らず、手詰まりになっていたと言うが、ついに「夢の力を用いて黒夢病の治療にあたっているであろう闇医師」の情報を入手。
カイはその医師を訪ねて助力を仰ぐため、エスト、シオン、ギーを連れて、同じくグレイシティアウトセクターを訪れていた。

夢の力を使った医療に詳しい医師は世界中にその闇医師しか居ないのかな?
話を聞く限り内科外科と精神科で協力してってことっぽいから総合病院的なとこに行ったらいいんじゃないかと思ってしまったが←

ごきげん横丁

アウトセクターにある飲み屋街「ごきげん横丁」のとあるバーでマスターに「スペシャルドッグフード」を注文するナナシ。
するとこれが合言葉になっていて、エマとナナシはマスターによって「隠し部屋」のようなところに案内される。

協力関係にはあるものの、互いに手の内を見せるわけにはいかない非合法組織「ブラッディレディ」と裏社会の掃除屋「ハウンドスイーパー」はどちらも抜かりなく、グレイシティに到着してからは別行動をしながらも実は「ナナシに監視を付けていた」らしいカミュ。

「スペシャルドッグフード」でこの監視を撒いてようやくアジトに辿り着き、いよいよ「シハル」に会ってインテルの話を聞けるのかと思いきや、「シハルはここには来ない」「会いたければ仕事を一件終えてから」と伝言が残されているだけだった。

リュコス

掃除ギルドハウンドスイーパー所属マイスター。伐採師。シハルを「坊」と呼び仕える主君に忠実な獣人。
見かけによらず子どもが好きで、アウトセクターでは親が工場で働いている間学校へも通えず路上で暇を持て余している子どもたちの遊び相手になっている。
子どもたちの笑顔を脅かす悪を間引くべく、与えられた危険な任務を粛と遂行する仕事人。

リュコスがシハルから預かった仕事依頼は「次期知事に就任するロイという男を捕縛すること」。
実はここアウトセクターでは1ヶ月ほど前から「黒夢病」のとても重い症状を発症し道端で倒れているような職人が散見されていて、これを探ったところロイが野良職人たちを雇い秘密裏に「黒い粉の製造をさせている」ということが分かったそう。
重篤な黒夢病患者は「製造過程で粉を吸ってしまった」みたいですね。

ロイの屋敷はインセクターでいちばん高い建物で、期限は1週間、その間に作戦を練ってなんとか屋敷に潜入し黒い粉を回収、彼を取り押さえて製造や密売のルートを聞き出しそれを潰すことまでが今回の任務。くれぐれも「大きな騒ぎにはしないこと」とのことだった。

ダステ

掃除ギルドハウンドスイーパー所属マイスター。華火師。ゴミカスみたいな奴らをドデカイ花火でキレーさっぱり吹き飛ばしてる人。
荒くれものみたいだけど正義感が強くアウトセクターの花火工場で共に働く職人たちのことをちゃんと気に掛けていて、気を腐らせているような人には言葉は悪いけど全力で叱咤激励したり、だいぶ豪快だけど根は優しい性格の持ち主。
彼は星の国ガラッシアの西国出身なんですよね。東国に親しい友がいて、今章では「一緒にでっかい花火を打ち上げよう」「うちらがいれば東西がひとつになる」みたいなこと言い合ってるような回想シーンがあったけど、ごめんねダステ夢100の時代になってもガラッシアはまだ東西に分かれて冷戦中だよぅ。涙

ちなみに今回リュコスが仕事内容について説明している間ずっと寝てました←

アルマ

掃除ギルドハウンドスイーパー所属マイスター。聴罪師。アウトセクターでスリを働いた職人にも懺悔を聞き罰と赦しを与えていましたね。
基本的には「罪を犯した人はみんな懺悔して赦される」っていうイエスキリストのような男なのだけど、もうひとつの人格「カルマ」になると「死んで償え」な男になる。
カルマは「無条件に人を信じるアルマ」を「傷付けたくない」って想いから生まれた人格みたいですね。
夢100で言うと星の国ジェミオのちょうど「カストル」と「ポルックス」です。

任務決行当日、エマが「羽付きギルドキーパー」という身分を利用してロイの屋敷に潜入し、こっそりと裏口の鍵を開けたところにナナシ、ダステ、アルマが侵入、警備兵を眠らせてロイと対峙するが、屋敷に仕掛けられた罠に嵌り、ダステが花火をぶちかまして脱出に成功し事なきを得るも、だいぶ大騒ぎになってるうえにロイを取り逃すことになってしまった一行。

幸い黒い粉はロイが「値段を吊り上げている最中でまだどこにも売っていなかった」ために後日すべて回収、製造場所を割って潰すことにも成功するが、ロイの口から「製造を仕切っている人物」について割ることはできませんでした。

どうもロイにこの話を持ち掛けたのはテスタメントではなく別に居ると言われていた「開発者」みたい。「それだけは絶対に言えない」「殺されてしまう」って言ってましたね。

ルシア

翌日、そのロイが「黒夢病で意識を失い道の真ん中で倒れている」と街が騒ぎになり、現場に急行する面。胡蝶の「開発者」の正体を知っていたであろうロイは「口封じのために殺されかけたのではないか」と推測するナナシ。

ロイが回復したら改めてもう一度話を聞きたい一行が治療のためカイの宿まで彼を運ぼうすると、突然そこへ「ルシア」と名乗る盲目の医師が現れ、「その男は俺がもらう」「金持ちは優良顧客」だと軽口を叩き、ロイを担いで立ち去ってしまった。

実はこのルシアこそ、カイが探していた「夢の力を使った医療に詳しい闇医師」だったらしい。
CV緑川さんなのすごい気になってます。
テスタメントとおんなじジャン←

彼を追って診療所に行ってみると、触診だけで適切な処置をして黒夢病の症状を抑えることができるルシア。
カイは「自分の治療とルシアの治療で黒夢病は完治する」「世界を救うことができる」「協力して欲しい」と訴えるが、ルシアはこの申し出を「世界のために必死になれる医者が大嫌い」だと言って断固拒否。
「何故医者が嫌いなのか」ギーが尋ねると、ルシアはかつて医師として「世界中の人を救うため」研究に没頭するあまり大切な人の病に気付くことができず亡くしてしまった経験があること、それ以来「世界のため」という信念を捨てこうして闇医師をしているということについて打ち明けてくれる。
そして、「妹の病気を治すために魔術医師になった」というカイに対し、「黒夢病の治療法と妹の病を治す治療法どちらか一方しか手に入れられないとしたらどちらを選ぶのか」と問い掛け、「その答え次第で協力を考える」と提案する。

返答に詰まってしまうカイ。
この後エマに「少し甘えさせて欲しい」と言ってちょっとイチャついて元気になったカイは「黒夢病の治療法を選ぶ」「妹の治療法は自分で探す」と答え、無事協力してもらえる運びとなりました。(ぇ

テスタメントの正体

ルシアとカイがやり合ってたら「世界のため」「みんなのため」って言葉に反応して突然鍵から出て来たブラトがめちゃくちゃ瘴気を振り撒きながら絶望し始める。
ナナシが「落ち着いて」「君はもう浄化されてる」って声を掛けるんだけど、ブラトは怯えるみたいに取り乱したままその瘴気でエマを飲み込んで、彼の「記憶の断片」みたいな映像を見せてくれました。

「人間が神話と呼ぶ時代」に女王によって思念樹に繋がれたというブラトは、来る日も来る日も黒く染まった妖精たちがたくさんたくさん眠りに就いていくのをひたすら眺め続けていたらしい。
思念樹に黒妖精が宿るたび女王がそこに「慰めを灯し」、1000年とも2000年とも思えるほど長い時間、女王は何度も交代しながら、その誰もが「人間を」「世界を」大切に想い祈ってきた。

しかし黒妖精は増え続け、癒しや慰めが追いつかなくなっていくと、妖精たちの「絶望」は暴走し始める。
「なぜ妖精は人間のために身を尽くさなければならないのか」「なぜ女王は人間のために祈り続けなければならないのか」その狂騒がひとつに集約して「テスタメント」が顕現し、思念樹を離れたのだそう。
テスタメントは黒妖精たちの「思念の集合体」であり、樹に積もった絶望の化身だった、ってことですね。
そうしてブラトはその誕生からテスタメントをよく知っている、だから気配を感じることができると。

まぁ、なんとなくそんな気はしてたよね(殴

「人間でも黒妖精でもある」ってことなんで、もしかしたら絶望だけじゃなく「やっぱり人間が好き」「加護を与えたい」って想いも混ざってのテスタメントなのかも知れないですけど。

いずれにしても「絶望」とか「悪夢」なんてもんがホントによく人の形になるんですよこの夢世界っちゅうのは←

シハル

掃除ギルドハウンドスイーパー所属マイスター。目が合った人の身体の自由を奪う「金色の瞳」を持つ操術師。魔法科学の国ダテンの真琴くんと全く同じ能力ですね。ただし操術師はあまりに危険過ぎるため公的には認可されていないマイスター称号らしいです。
公式プロフに「人間が精一杯生きようとする姿に尊さを感じ狩るべき罪人たちにもそれを強要する」って書いてあったのでマジで真琴くんを想像してたけど彼ほど狂気的ではなかったな。
とは言え得体の知れない感というか不気味さはちょっとあって、インテルとは懇意な間柄だと言うし、ナナシもダステもリュコスもそれぞれシハルを疑ったり警戒したりするような場面がありました。

シハルはナナシやカミュの目を盗んで夜こっそりエマの部屋を訪ねて来るのだけど、エマに「どうか自分に正直でいて欲しい」「それがいちばん美しい」って言うんですよね。なんか「美しいものを見たい」っていう性癖の持ち主みたいで←

いろいろと迷っていたエマはシハルのその言葉に心を決めて、もちろん浄化の力を使えるのは自分だけだし今のところそれしか世界を救う方法がないようにも思えるのだけど、ウッドマンやミューゼで実現した「マイスターと黒妖精が共存するような世界」も実現できるんじゃないかって、エデンが言うのとは別の方法で世界は救えるんじゃないかって、それを模索するために思念樹に向かうことが「自分に正直になること」だってことに気が付きます。

そうして黒妖精たちとエマが「ずっと一緒に居よう」「うん僕たちもずっと主人様と一緒に居たい」って言い合ってる姿を見てシハルは「綺麗だ」って満足そうにしてました(震

ノアの目的

エマたちがグレイシティでなんやかんやしてる頃、クロウたちはヒューレの森でノアが身体から瘴気を出しながら密猟者を取り押さえようとしている現場に遭遇していました。

故郷の森を焼かれ、強い使命感を持って幻獣師になったノアは、世界が豊かになればなるほど森の開拓が進み、幻獣の素材が衣類や製薬に用いられるようになったりして幻獣保護がままならなくなっていくことに強い怒りを覚えていて、密猟者を一掃できるような「力」を欲していたのだけど、そんなノアに「長い間ずっと黒妖精の研究をしていた」という胡蝶の「開発者」が声を掛け、黒妖精の瘴気を物質化するだけでなく「直接身体に植え付けたらどうなるか実験したい」と持ち掛けたのだと言う。

ノアはエマが月渡りのギルドキーパーになる随分前から胡蝶の開発者と繋がっていたみたいですね。
そしてエマが来てからはテスタメントともやり取りをするようになって、エマの様子や居場所を報告したりもしていたらしい。

ノアは「ずっとみんなを裏切っていた自分は月渡りには戻れない」と言うのだけど、「ノアを必ず連れて帰るとエマと約束した」と言うクロウたち。
なんとか説得し、「瘴気を直接植え付けられた」小さな体がついに限界を迎え動けなくなってしまったノアを抱えて、一刻も早い治療のためにカイが待つグレイシティに向かいます。

思ってたより結構ちゃんと裏切ってたのね!!!
見くびってごめんよノア(ちがう
そして今のとこ誰も辿り着くことができていない胡蝶の開発者の正体知ってるんだねグッジョブ←

今章ではルシアに研究成果物を提供してもらったカイが治療を施し一命は取り留めたもののまだ目を覚まさないってとこで終わっちゃってますが、目覚めたらいろいろ聞きたいとこですな。

インテルの目的

ロイの悪事が暴かれ「知事就任記念式典」が取り止めになってしまったことで、仕事を失い途方に暮れていたアウトセクター中の職人たち。
この様子に酷く心を痛めていたアルマを想い、匿名でイベント資金を援助して「職人たちのための祭り」を執り行えるよう計らうリュコス。

これにより街は再び活気付くが、しかし中には「インセクターの富豪たちに振り回されている」「生活を脅かされている」と不満を募らせている者もいるようだった。

そんな不穏な職人たちにひっそりと声を掛け、富豪たちや連盟への不平や不信感を煽るようなことを吹き込んでは黒い粉を配って回っていたインテル。
インテルはブラッディレディから持ち去った粉をアウトセクター中の職人に配り、野良職人たちが「自ら黒い粉を使って暴動を起こした」という事実をでっち上げようと企てていたんですね。
それもかなり用意周到に、マジックラインの掲示板には野良職人を装って「犯行予告」みたいなものも投稿してました。

そうしてまんまと乗せられた一部の職人たちはこの祭りにかこつけて「インセクターに黒い粉を仕込んだ花火をぶち込む」という恐ろしい計画を水面下で進めているのだけど、「これを知ったら彼らを信じて疑わないアルマが傷付く」と考えた「カルマ」が逸早く勘付いて計画は暴かれ、ハウンドスイーパーだけでなくマギアゼミナールのマイスターたちや闇夜の2人、機械職人のリーダーたちの協力も得て、寸でのところで暴動は無事に阻止されました。

そうとは知らないインテルは、インセクターにあるロイの屋敷の最上階に待機し、「もう間もなく愚かな職人たちが黒い粉を使った暴動を起こす」「身勝手な凶行に及ぶ愚者を掃除しろ」とシハルに命じ、その時を待つ。
そこへ、ついにインテルの居場所を突き止めたカミュとナナシが乱入。

野良職人たちを凶悪犯に仕立て上げあくまで連盟の正義を保つ「こんなやり方は正しいのか」とインテルに問うナナシ。
これに対しインテルは「すべての仕事を仲良く分け合う世界で誰が努力をするのか」「この夢世界の発展は競争の賜物だ」「夢は弱者の屍の上でこそ輝く」と言い放つ。

インテルはとにかく過酷な競争社会の中で自分含む連盟の人間や腕のあるマイスターたちは常に強者として弱者の屍の上に立っているって状態にしておきたいのね。
それなのに屍が「平等」を訴えてそれがあたかも正しいかのように聞こえ始めたから彼らを徹底的に愚者として世間に認識させたかった。
やりたいことは分かるけど、そのために自分が胡蝶の黒い粉を世界に蔓延させてしまうことは「あり」なんだね。
なんか信念ブレブレじゃね?←

そして「瘴気を増大化させる装置」まで隠し持っていたインテルは、そのスイッチを押して黒妖精を暴走させ、不発に終わったはずの「黒い粉を仕込んだ花火」をも暴発させようという強行手段に出る。
カミュやナナシはこれを止めようとするが、なぜかインテルを庇うシハルに阻まれる。

職人たちの作戦決行を無事に止めることができて一安心していたはずのエマたちだったが、このスイッチにより黒妖精たちが突然の暴走、その身体から恐ろしいほどの瘴気を湧き上がらせ、思い留まってくれた職人たちも、止めてくれたマイスターたちも、その場にいるすべての人間を飲み込もうと膨れ上がっていった。

ブラトの素顔

インテルの強行手段にエマは意を決して強い浄化の力を放つのだけど、その光に包まれていく瞬間ブラトが涙を流しながら「どうか世界のために犠牲にならないで」って訴えてくる。

「犠牲にはならない」「力を使っても消えるつもりはない」「自分はギルドキーパーとしてマイスターたちと黒妖精たちと生きる」「そのためにできることをする」のだとエマが答えると、ブラトは突然変身し、「そういうことなら力を貸そう」的な意味合いの言葉を掛けてくれました。

いやいやびっくり←

ブラトが突然変身したことももちろんびっくりなんだけど、シハルがね、このエマの浄化の光が見えた瞬間、今度は手の平返してインテルを屋敷の最上階から突き落とそうとするんですよ(怯

襲撃は起こらなかったし「職人たちはもう凶悪犯じゃないから」ってのも理由のひとつみたいだけど、「あの綺麗な光をもっと見ていたいから」とか言い出して。いやもう自由過ぎるやろw

じゃぁさっきインテルを庇ったのはなんで?
「弱者の屍の上で輝く」とか言ってたインテルの方がカミュやナナシより綺麗だったってこと?
まじで分からん…

世界の端

強い浄化の光の海に飲まれてしまったエマは、方向感覚の定まらないただ白い空間の中を歩き続け、ふとどこからか髪を揺らす風が無数の光の粒と共に洪水のように溢れ出していることに気が付いた。

中からはテスタメントの声がして、その奥こそが「世界の端」であり、そこに向かうことは「黒妖精たちのために妖精であることを選ぶ」こと、「共に行こう」と手招きをしてくる。

すると手足から光の粒がこぼれ、自分の身体が透けていくのを感じるエマ。
必死に自分の身体の輪郭をなぞり、消えまいと強く意識を保とうとする中で、無自覚のまま思わず「クロウ」の名前を呼ぶと、力強く腕を引かれる感覚がはっきりと身体に戻り、光の中からクロウが自分を「引っ張り出してくれていた」ことに気が付いた。

クロウと共に駆け付けたイツキやグランによれば、ここに来たら「真っ白な光しか見えなくて驚いた」「その中からクロウがエマを見付けてくれた」のだと言う。
そして、エマは光から引き戻される瞬間、テスタメントが「取り払ってやる」「やはりその男か」と悔し気に呟く声を聞いていた。

これってどう解釈すべきなんだろう。

クロウになにか特別な力があるのか、エマにとってクロウが特別なのか。
エマの夢の力がクロウによって強まって戻って来れた、って描写なら後者だろうな。
でもわたし、正直メインストを読んでいて「エマにとってクロウが特別」って思うことあんまりなかったんだよねぇ。
めっちゃ最序盤でクロウがエマに過去の話をするとこくらいかなちょっといいなって思ったの。
ぶっちゃけエマちゃんってさぁ、いやこれ以上はやめておこう叩かれそうだ←

夢の力

そうして事が収まり、エマは「思念樹に浄化の力を込めることで黒妖精を眠らせて世界を救う」のではなく「黒妖精も消さない自分も消えないけど世界も救う」方法を見付け出したい、それを改めてエデンに伝えるために「思念樹に行きたい」、そして「思念樹は浄化の光の奥にあるかも知れない」ことをナナシに打ち明けるのだけど、傍で聞いてたブラトが「エマがどれだけ強い浄化の力を使っても同等の夢の力があれば妖精として覚醒することなく思念樹に行くことができるかも知れない」「それを与えられるのは夢王だ」って提案してくれる。

一方ナナシはこれが「とても危険なこと」だと助言。
そうそう自分の器以上に夢を身体に入れてしまうことってめちゃくちゃ危険なんだよね、アトラ。
よく知ってるね、ナナシ(うるせぇ

とは言え「少しでも可能性があるなら試してみたい」というエマに、「危険だと思ったら強引にでも止めさせる」ことを条件に、それなら「夢王様への謁見に一肌脱ごう」とナナシ。次は「冠職人の国コロナ」へ向かうことになるらしい。

えっコロナなの?
デジールじゃなくて?
トロイメアに行くならアルストリアから「ムーンロードを正しい順番で渡らないといけない」し最後はデジールじゃなかったっけ。
あ、さすがのナナシもアポなしでトロイメアに行くわけにはいかないってことか。

てかなんでコロナが「鬱な響き」なんだろう。
ブラトはコロナ関係者なのかな。

わたし、ぶっちゃけブラトは「アトラ」の元妖精だったんじゃないかなってちょっと思っちゃったんだけどね。「神話と呼ばれる時代」から樹に繋がれてたって言ってたので。
夢世界の神話の時代って間違いなくトロイとアトラの時代だし、「人のため」とか「世界のため」って言葉を怖がるのもアトラの絶望って全部そこから始まってるし、ブラトが「世界のために犠牲にならないで」って泣いてたのも、そのあと素顔を見せてくれたのも、エマとアトラの姿が重なって見えたからなのかなって。
とは言え「夢王」って呼び名は王家がトロイメアとアトラスに分かれて以降のものだったような気もするし、そう考えたら違うのかなぁ。

ちなみにこの一連の騒動でうっかりナナシが「世界ギルド連盟会長」だってことも判明しました。
なんかもうなんにも驚かなかったし、ナナシは役職掛け持ちし過ぎててちょっとキャラ盛り過ぎだろって思えてきたよ(殴

エストの思惑

今回、グレイシティに来てからというもの、カイやシオンやギーとは離れて別行動してることが多かったエスト。
どこかの森の中でルシアに「本当に俺と一緒に来ていいのか」って聞かれて「はい」「僕が決めたことです」って答えてました。
するとそこにインテルとシハルもやって来て、最終4人でどこかに出発した様子。
あまりにも変な組み合わせ過ぎる←

あとわたしエストとルシアの会話でめちゃくちゃ引っかかってることがひとつあって、エストが「あなたは150年前の症例に関わっている医師」「記録を抹消したのもあなた」って言うと、ルシアがそうだって答えるくだりがあって、なんかね2回くらい読み返したんだけど「じゃぁルシアって150年前生きてたの?」って突っ込みたくなるような言い回しなんよ(だからなにw

あとはミラーがクロウを「哀れな子羊」とかって予言してたとこルシアは「幸福の子羊くん」って話しかけてたりしてたのもなんかキニナル。
ミラーって占晶師だけど、ルシアってなにもの?

ナヴィの決意

7章のラストはナヴィが鍵の中で他の黒妖精たちみんなに向かって「僕たちはどんな形であっても主人様には生きてて欲しい」「だから眠ろう」って呼び掛けてるカットで終わります。

嫌な予感がするよね←

そもそも「忘れじの黒い妖精」って「決して忘れない」とか「忘れたくない」って意味ジャン?
わたし正直結構最初から「黒妖精たちのことをどうかみんなが忘れませんように」みたいな物語になっていくんじゃないかなってうっすらと感じてはいたのよね。
まぁでもメインスト12章まで終わったら絶対「第2部リリース」ってなるから、最終消えちゃうなんてことはないと思うんだよなぁ。

いやでも夢100第1部を思えば有り得るぞ。
そゆことするぞジークレは(だれ