夢100ゆめくろメインストーリーのネタバレ満載備忘録
夢世界を語る

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第2部1章 レコルド

あの悲しい別れから幾時が流れたのか、ユメクイの脅威が消え去り、夢世界は少しずつ落ち着きを取り戻し始めていた。
姫はナビと2人各国に夢を届けながら、世界中を巡る旅をしている。

ごめんもう泣きそう←
ナビの月スト回収されてるやん。涙

悪夢

記録の国レコルドに向かう飛空船の中で、姫は悪夢を見てうなされてしまう。
「…始まる」
「だから、どうか僕に夢を…」
そんな弱しい少年の声で始まったその夢は、突然場面が一変し、ご機嫌に談笑する3人の男たちが「好きなだけ夢をため込んで平和面してる人間たちを壊してやろう」「夢を丸飲みにしてやろう」と楽し気に口にする、まるで不吉な予知夢のようだった。

黄昏色のムーンロード

ムーンロードは月が海を照らすことで生まれる星屑の道であり、月の満ち欠けによって決まった時間決まった場所にしか架からない。
しかし、近年観測され始めた不思議な赤い星が、突如として上空に集まり、黄昏色のムーンロードのようなものを形作ったかと思えば、これを渡ってひとりの王子がレコルドへとやって来た。

フレイグ

不思議なムーンロードを渡ってレコルドに現れたトルークビルの王子。
悪夢を見たせいで寝不足な姫の様子に気が付き、その体調を気遣うなどとても紳士的。

国を代表して友好条約の締結を求めにやって来たと言うが、「トルークビル」という名前の国は、世界の歴史の記録を司るレコルドの書物にも、トロイメアに残された古い文献にも載っていない。
ユメクイが世界に広まっていた頃も、彼の国はその被害を受けることなく過ごしていたらしい。

ロイエ

記録の国レコルドの王子。
知的欲求が強くなんでも知りたくなってなんでも質問してくるので会話が進まない。

知らない国から王子がやって来るという前代未聞の事態に警戒心を抱きつつも、フレイグの威風堂たる王子らしい振る舞いや彼に敵意が感じられないことなどから、「トルークビルに国の調査団を派遣する」ことを条件に、友好条約の締結に同意、早に調印式を執り行うことに。

知性を持ったユメクイ

レコルドとトルークビルの調印式がまさに始まろうとした瞬間、ロイエの元に「レコルド中がユメクイに襲われている」という知らせが入って来る。

「ユメクイはもう2度と現れないはずだ」と青ざめるナビに、「今はみんなの安全だけを考えよう」と城の外に飛び出していく姫。
指輪の力もちゃんと使いこなし、街中で襲われて眠らされている人たちを夢の力で目覚めさせながら、外にいる人を城の中へと誘導していく。

少し見ない間にめちゃくちゃ強くてかっこいいトロイメアの姫になってる。涙

今回のユメクイはあの鰹節みたいなカワイイやつじゃなく、触手のようなものが伸びたり蛇のように巻き付いたりとしっかり禍しい。
しかも意志を持っているかのように自ら動き、姫の姿を探して這いずり回り、見付けると一目散に狙って襲って来る。

初めてユメクイを見ると言うフレイグもナビや姫と共に戦ってくれるが、その数の多さと手強さに苦戦してしまう。

アヴィ

ユメクイから逃げ遅れた女の子を助けようとして大ピンチな姫がもうダメ襲われちゃうって思った瞬間にどこからか声がして颯爽と現れたアヴィ。
登場シーン嬉しさのあまりめちゃくちゃ叫んでしまった。フルボイスってすごい。

安心感で泣けてくる。
なんてかっこいいんだ。

ルーファス

不吉な夢の中に出て来た3人の男たちのうちのひとりであり、今回のユメクイ騒ぎの犯人。
知性を持ったユメクイを生み出し、これを命令か何かで操ることができる。
それも、なんの罪もない街の人たちをいちいち怖がらせて、順番に断末魔を聞かせてから最後に命乞いをさせ怯えるさまを面白がりながらわざわざ丸飲みにして夢を奪う、みたいなやり方をする。
夢が欲しいだけなら夢の力が強い王子を狙って襲えばいいはずだが、「王子は夢を奪っても指輪の中に吸い込まれるだけ」「そんなのつまんないでしょ」ってこの顔で。↓

ぶっちゃけ、第1部のユメクイも夢を食べるんでワルイコなんだけど見た目ちょっとかわいかったり鳴き声もかわいかったり、わたしの中では「戦ってる」というよりも「追っ払ってる」みたいな感覚が強かった(少なくとも序盤は

それに比べると彼は恐ろしさが桁違いです。
サイコパス丸出しな表情と声とセリフで完全にこちらをロックオンして容赦なく殺しにかかろうとして来る。
蜘蛛の糸のようなものを使ってあわやアヴィを細切れにするところだったし、もうユメクイとか関係なく気付いたら背後取られて「あっはっは、このまま死んじゃいなよー」とか言って普通に頸動脈いかれそう。

CVべっし、しもんぬに次ぐ童貞ボイスだと思ってたからこんな色気狂気声出せるのびっくり。←

子どもの夢は大きい

その目的を尋ねてもはぐらかして多くを語らないルーファスだが、恐らく彼は用意周到で、レコルドとトルークビルが友好条約を結ぶ調印式の最中という図ったようなタイミングで騒ぎを起こすことで、レコルド中の人が「トルークビルの王子がもたらした災いなのではないか」と混乱するように、つまり自分を陥れるためにやっているのではないかと推測するフレイグ。

これに対し、「とてもおめでたい歴史的な式典にサプライズプレゼントを持ってきただけ」だとルーファス。目的は果たしたので、次は子どもたちの夢を喰べに行く、「子どもの夢は大人よりも大きくてふわふわで美味しい」と言い残し、闇に消えていった。

この言葉をヒントに、次にルーファスが向かう先は、大人のいないサーカス団が暮らしている「憧憬の国チルコ」ではないかと考えた姫とナビ。

彼らを2人で行かせるわけにはいかない騎士アヴィと、汚名を着せられたままでは居られないフレイグも、共にチルコへ向かうことになった。

なんかめちゃくちゃRPGっぽい!!!←
ぶっちゃけ第1部は夢世界がなんなのかもよく分からないままメイン進めてたけど、今回はいろんな王子と出会っていろんな国について知ってる状態で読んでるから、言われるより先に「それチルコだよ絶対チルコだよ!!!」みたいな気持ちで読めるの楽しいw

何が始まる?

ひとまず今回の旅で敵になるのは最初に夢に出て来た3人組の男たちで間違いなさそうですね。
夢を奪うユメクイを生み出して操れるってことで、たびたび姫の脳裏にはホープの影がチラついていたけど、正直あんまり関係ないんじゃないかと個人的には思っています。
あるとすれば、昔ホープに助けられた、捕縛された奴隷たちの中にユメクイを植え付けられても身体が崩れなかった人たちが居た、とか?
確かにルーファスが姫やナビを煽るシーンで「実はもう大切な誰かを失っちゃった後だったりして」ってもしかしたらホープが死んじゃったこと知ってるんじゃないかと匂わせるような描写があったんだよね。

でも、マリスもユメクイを生み出せるようになったわけじゃなく、夢の残滓を形にすることができるようになっただけだった、ような気がする。
そもそもホープが与えたユメクイでホープ以上の能力を得られるなんてことがあるかね?

しかもわたし、ぶっちゃけまだホープのことは立ち直れてなくて、太陽ストのラストが忘れられてないんだよ←
ホープは確かにユメクイによって世界を苦しめてしまったけど、彼のことは姫やナビやアヴィたちと同じくらい誇りに思っているので、その彼がしたことを貶めるようなマネだけはしないで欲しいし、そんな輩が出てくるならわたしは第2部を許さない(厄介オタク

あとは、新しい国トルークビル。
本当に聞いたことないし、ユメクイも出たことないらしいけど、これまで夢世界のどこの国からもムーンロードが架かってなかったんならもはやそこ夢世界じゃないし、夢王様の力がなくてもやってける国ってことだよね。
トルークビルの王子フレイグは、たとえばユメクイに襲われたレコルドの街で先陣切って戦いに向かう姫とナビの姿を見て「姫や執事が最前線に立つのか」って驚いたり、姫の旅について行くことを決めたアヴィには「あなたの騎士道はひとりの女性ではなく国を守るためにあるのではないのか」って苦言を呈したりしてるので、恐らくめっちゃしっかりステレオタイプな王家に生まれ育っているはず。
そこそこの大国で、閉鎖的だけど先進国、みたいな感じかなぁ。

全然関係ないんだけど一言

今回アヴィが姫と一緒にチルコに行くって言ってくれた時、「でも本当はアヴィは今アルストリアの様子が気になってるんじゃないか」「国に戻った方がいいんじゃないか」って姫は顔に出しちゃうんですけど、彼が誰に何を言われても「姫の傍で姫を守る」って決めてるその決意の背景に、お父上の言葉があるってのがすごくいい。

アヴィの父上アルストリア国王はデジール反乱軍から夢王様を守り切れなかった過去がある。
かつて自分が守れなかった、死なせてしまった人の娘であるトロイメアの姫を、今度は息子に「命に代えても守れ」って、なんかその一言に騎士の国の王として王子に託したいものすべてが集約されてる感じがしてすごくいい。
しかも、実はアヴィはその反乱を鎮圧した父上の勇敢な姿をちゃんとホープのユメクイの中で映像で見て知っていて、父が語らずともしっかりすべてが今のアヴィを形成するもののひとつになっている、ってのもすごくいい(語彙力