第2部2章 チルコ
その昔、チルコは商売下手で貧しく、しかし薬品開発の技術に優れた国だった。
ある時、ある大国から莫大な資金援助を受ける代わりに戦争に使われる兵器のような毒薬の製造を任されると、チルコの大人たちは「みんなが幸せになるための薬を作っている」と子どもたちに嘘を吐き、悪魔のような商売に手を染めて国を豊かにして行った。
その薬の威力が証明され、大国がより強力な毒薬を求めるようになると、チルコの大人たちは利益を求め大国を脅すようになった。
次第にエスカレートしていくチルコの要求を飲めなくなった大国はチルコの大人たちを皆殺しにしてしまうが、中途半端に精製した薬が蔓延した大国もまたすぐに滅んでしまった。
すべてを知ったチルコの幼い王子たちは、「大人は忌まわしく穢れた存在」であると考え、永遠に子どもの姿のままで居られることを願いながら、残された街の子どもたちと共にサーカスの技を磨いて食い扶持を稼ぐようになった。
そんな独特の歴史と文化を持ち、本当に大人がひとりも居ない状態で、子どもたちだけで生活を営んでいる国の様子を目の当たりにして、驚きを隠せないアヴィとフレイグ。
子どもたちに声を掛けようにも、「大人がやって来た」と驚き逃げ去ってしまうので危険を伝えることさえできない。
チルコの王子たちは仲の良い4人の兄弟で、もちろん彼らも大人であるアヴィやフレイグの姿を見て嫌悪感をあらわにするのだけど、見知った姫に免じてなんとか話を聞いてもらうと、実は「最近国中の子どもたちがひとりまたひとりと行方不明になっている」ことを教えてくれます。
ドローレ
憧憬の国チルコの第四王子。
サーカスでは命綱のない綱渡りの演目に出演。
痛いことが好きでピアスを空けるのが好き。
ちびキャラになると頭の上のぴょこぴょこがかわいい←
兄ウェルガーと一緒に誘拐犯を捕まえるための落とし穴を街の周りや森の中に仕掛けたりしてるけど、落ちて怪我したら痛いだろうなって思ったら落ちずにはいられない。
ウェルガー
憧憬の国チルコの第三王子。
猛獣使いで、サーカスでは猛獣ショーに出演している。
分かりやすい嘘で自分を大きく見せようとしたり子どもみたいなところがあるけど恒常スト太陽はどの兄弟よりもかっこいい。
連日連夜居なくなった子どもたちを探し回ってヘトヘトな兄2人のことが心から心配。
自分はきっと頼りないだろうけど頼りにして欲しいと願ってる。
ネロ
憧憬の国チルコの第二王子。
サーカス団の団長であり、道化師。
王子たちの中ではいちばん大人嫌いが顕著。
ネロはめちゃくちゃ初期に手に入れたガチャ産☆5王子だったんですが、もうほとんどバドエンと言ってもいいくらいメリバな月ストが当時は衝撃的でした。
実はホープお兄ちゃんの最後のクエストに連れて行ってたユートピアのネロくん(しらん
弟たちのことがあまりにも大切で危険が及ぶかもしれない場所には行かせないように、全部自分で解決しようとずっと背負い込んでしまって来たけど、そのせいで弟たちが寂しい想いをしていたことを知り、彼らの力も借りながら一緒にチルコを守っていこうと決意する。
モルタ
憧憬の国チルコの第一王子。
サーカスではショーの花形である空中ブランコに出演。
年齢的にはもう大人なので「自分は死ななければいけない」「死は平等に訪れる優しさ」という謎理論を持っている。
モルタの月ストは衝撃のネロを遥かに超えるハイパーダークネスだったのと、初めて自分のHPを消費するバトルスキルに出会ったのが彼だったのでそれがずっと印象に残ってますねぇ。
イザーク
チルコの子どもたちを森の洞窟に隠して夢を喰らっていた犯人。
知性を持ったユメクイを生み出し操る力に加えて、蠍の毒を注入することで人間を操る能力を持っている。
ルーファスとは「切っても切れない腐れ縁」って言ってたけどたぶん兄弟。兄さんって呼ばれてたし、ルーファスのこと「ルー」って呼んでるし。いやルーってちょっとかわいいな←
男には容赦ないけど姫にはちょっと手加減してくれそうなルーファスに比べると、「骨が軋む」と感じるくらい思い切り姫の首を絞めたり、「2度と目を覚まさないように搾り尽くす」と言ってもうぐったり動かない小さな女の子を硬い靴でぐりぐり踏みつけたり、サイコパス感はあまりないけど卑劣度はかなり高め。
子どもの日サーカス
生活のための巡業ではなく、チルコの子どもたちがチルコの子どもたちのためだけに開催する、みんなが何もかも忘れて笑い合える大切な日の大サーカス。
国中の子どもたちとその夢が一堂に会するその日を狙ってイザークが現れるであろうことを知っていた一行は事前に子どもたちを避難させるための手筈を整えていたはずだったが、蠍に刺され毒に冒されていたドローレとウェルガーがイザークの意のままに動かされサーカスはめちゃくちゃに、先手を取られてしまう。
巨大なユメクイに劣勢のアヴィとフレイグ、そして蠍に刺され操られた子どもたちに取り押さえられてうまく祈ることができない姫に「特等席で最高のショーを見せてやる」と言って、イザークはドローレとウェルガーを操り、ネロとモルタと兄弟4人で殺し合いをさせようとする。
しかし、4人の王子たちはその絆によってこれに抗う。
このくだり、ネロのセリフがライトの言葉と重なってちょっと泣いた←
そうしてなんやかんやあって間一髪最悪の事態を免れた一行、「どうして家族で殺し合わせるなんてひどいことをするのか」と尋ねる姫に、「どの口が言ってる」「お前らだってそれをした」と言い返すイザーク。
えーんやっぱりこの人たちホープ関係者なの?
でも君たちみたいな人間ホープはいちばん嫌いなはずだよぅ
シリル
イザークとルーファスの弟。
夢で見た3人組の最後のひとり。
さっきの戦いで毒の支配に打ち勝ったチルコの王子たちがイザークに向き直り、体勢を整え直したアヴィとフレイグも加勢してまさにいざ勝負ってとこで、「今ショコルーテに向かってるよー」とイザークに連絡を寄こして来た空気の読める男の子。
ちなみにそんなちょっと間の抜けた連絡を受けたイザークは「子どもたちの夢はたっぷりいただいたのでもう用は済んだ」と直ぐにチルコを後にしてしまうので、一行は一難去ったチルコで子どもの日サーカスを楽しんでから、チョコレートの国ショコルーテに向かうことになりました。
次はリカちゃんかぁ。
アヴィがかわい過ぎる
今回、始めは「何を考えているか分からない」って警戒してたのに、共に戦い何度も姫を助けてくれるフレイグに、少しずつ心を許してってるアヴィがめちゃくちゃ素直でかわいい。
フレイグも、ちょっと毒舌嫌味だけどアヴィのことからかったり彼なりにフレンドリーに接してくれてるような感じが伺えてちょっと嬉しい。
洞窟で夢を搾り取られてしまった子どもたちを目覚めさせるために夢の力を使いまくってフラフラになっちゃった姫をフレイグがお姫様抱っこして街まで運んでくれるシーンがあるんですけど、その様子を隣で見てるアヴィの反応がホントにかわいくて愛おしくて忘れたくないので残しておく。
結局ウェルガーくんをおんぶする係になるアヴィ、思い返せば1部7章のロコじいさんとか、なぜかいつも暴れん坊ばかりおんぶする羽目になるよねぇw
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